レビュー:成り上がりとご褒美の応酬、魔都精兵のスレイブ

引用:https://mabotai.jp/
Ⓒタカヒロ・竹村洋平/集英社・魔防隊広報部
目次

概要

突如、日本のあちこちに異界へつながる門が出現した。
魔都と呼ばれる異世界には醜鬼という化け物が生息しており、人を好んで襲う魔都災害が頻出する。
一方、魔都で手に入る桃を食べると超人的な力を授かるメリットがあった。
桃から異能の力を得られるのは女性のみ。その結果男女のパワーバランスは崩壊した。
女尊男卑となった日常、政府は災害対策と桃の管理などをするために、異能者の女性で構成された魔防隊を設立した。
進路に悩む高校生の和倉優希は突発した門から魔都へ迷い込んでしまう。
醜鬼に追われて窮地にたった彼は、魔防隊七番組組長の羽前京香に救助された。
しかし敵の数が多くて苦しい状況のまま。
そこで京香は、従来なら醜鬼を使役して対象を強くする無窮の鎖(スレイブ)を優希に使う。
強くなった優希は醜鬼の群れを一掃した。
京香は優希の活躍を褒めると同時に、能力の代償に依るご褒美を与える。
こうして優希は京香の奴隷兼彼女が所属する七番組寮の管理人となり、幾多もの敵と戦っていく。

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お色気要素が満載

原作漫画からして大変お色気要素が強く、登場する女性キャラクターの多くと優希が色々なプレイを行っている。
流石に成人向けのR18ではないが中高生以上がメインとなる作りだろう。
アニメの配信サイトでは全年齢向けとお色気を増したご褒美版のふたつがあり、後者ならR15以上だ。
漫画なら下は描写されておらず、いわゆる本番はない。
胸は露出されているし、添い寝やマッサージ、洗体など種類盛りだくさん。
素晴らしいプロポーションを持つ女性隊員と能力の代償とはいえいちゃいちゃ出来るのは、優希にとって役得だろう。
これは優希が相手を好き勝手に束縛して欲望の赴くままに貪っている訳では無い。
彼をスレイブ化させなければご褒美を与えなくて良いのだから、女性側にも選択権はあるのだ。
ただし余りにも幼く見えるキャラクター相手に過激なご褒美は問題があると制作側が考えたのか、大川村寧のようなローティーン相手だと相当軽めな内容になっている。
しかし人型醜鬼の銭函ココの傷舐めシーンは着衣のままでも刺激的な描き方だったので、判断基準が分からない。脱いでなければいいのだろうか。

スレイブ化させたご褒美の強制執行力は抗いがたく、終わらせない限り延々と実行させようとする。
この強制力を逆に利用して拐われた優希の探知を行えるほどだった(原作第4巻より)。
ご褒美内容は優希の潜在的な欲望によって決まるらしく、彼がどう癒やされたいかを垣間見れるのだ。
双方とも納得して行われているので外野からとやかく言われることもない。
刺激的な作品を求める人にも耐えうる作りだろう。
年齢や耐性の人は是非ご褒美バージョンを視聴してほしい。
原作の雰囲気を楽しむなら、多少規制解除された方が近い味わいになるからだ。
勿論全年齢向けでも原作の改変はないのでそこは安心してほしい。
少なくとも1期の時点で目立つ改変やアニメオリジナルはなかったように思われる。

流れはシンプル

優希は生身だと異能持ちの女性相手には敵わない。
京香の能力によってスレイブ化してようやくスタートラインに立てる程度の実力だ。
優希が変身するには首にかけられた鎖を引っ張ることが条件。
スレイブになる際、誰が御主人様になるかで特性変化が起きる特徴がある。
京香のスレイブ化がスタンダードなスタイルで、他のと比べれば尖った性能がない。
他のキャラが彼を扱うと、それぞれの能力に沿った特性を得る。
巨大化する朱々なら鈍重な力持ち、千里眼の寧なら透視、核の抜き取りで倒すベルなら透明化など。
近かったり、援護ができるような性質変化が発生するのは優希の特殊な能力だろうか。
雑魚モンスターの醜鬼をスレイブにしても、コントロールが聞きにくい扱いにくさが残る消耗品レベル。
反面、働きが芳しくないおかげで、醜鬼を使役する代償は豚肉を与える程度で済んでいた。
こうして色々な能力をもった優希が京香達七番組の一員として醜鬼たちと戦っていく。
敵の中には強力な勢力が存在しており、その中には優希の姉の姿もあった。
敵も一枚岩ではなく、それぞれの暮らしぶりがある。
戦いを通して魔都に関する情報や知識を得るたびに新しい敵、展開がやってくるのでその辺りは少年漫画らしさを感じられるだろう。

1期は漫画の1巻~6巻までの内容を駆け足気味に描かれている。
中盤以降の主体となる八雷神との本格的な戦いが起きるまでの話なので、そこまでスケールの大きなバトルになっていないのは仕方ないだろう。
ここから優希の能力がさらなる進化(変異?)を遂げていき、敵の脅威度も跳ね上がって面白さが増していく。
その楽しみはこの執筆時点で放送が始まった2期へ持ち越された。
敵も味方も一気に増えてネームド同士の乱戦も多くなり、比例してご褒美の種類も増えていく。
戦う、ご褒美を受ける一連の流れが連続的に続くのでシーンのメリハリがききやすい。

ただしエロに関して嫌悪しやすい場合は、正直に書けば向いていない作品である。
エロは読者、視聴者を引き寄せる魅力的な餌であり、シリアスやバトルに極振りして重苦しくならないように天秤を傾ける調整弁のような働きがあるのだ。
エロだけが目的の場合は十分楽しめる要素が詰まっているとはいえ、対象の女性キャラはスタイルが良い人ばかりで、極端な属性持ちが好きな方には刺さりづらい。
プレイ内容は比較的健全だったのが次第に変態性、刺激の強い内容へシフトしている。
したがって、ニッチ向けを回避するべくキャラクターだけは幅広めの層を狙った結果かもしれない。
比重が偏っていないので序盤を見る、あるいは読んでみて継続できるかどうかを試すのは大いに有効な手段だ。

キャラの扱い

バトル、ご褒美に関わらず、キャラの扱いに割と差がある。
メインヒロインの京香が多いのは当然だが、同じ七番組の一員である朱々や寧はスポットライトが当たりづらい。
優希とのスレイブ化が強敵との戦いに半ば必須であるため、それが出来ないなら組長レベルの実力者でないと露払い程度でしか活躍できない。
醜鬼なら何とかなるが人型醜鬼でギリギリ、2期以降メインとなるだろう八雷神戦だと力不足が目立つ。
このせいで朱々は早々に戦いへついていけなくなったし、寧はそもそも戦闘向けじゃないマスコット枠だから扱いに困っている節が感じられる。
日万凛は器用貧乏丸出しで初めこそすぐ使えないユニットになってベンチ入りすると思いきや、漫画では覚醒回を経て徐々に実力がついてきている。
また1期なら姉の八千穂との対戦で優希とのタッグを組んでいる(第5話)。
朱々は次の話でサハラと戦闘になっているが敗北。
そもそも朱々の巨大化とスレイブ化の取り合わせが悪く、際立った性能がない。
京香が使役させる割に合わないと判断されたことも、彼女の出番の悪さが表れている。

むしろ六番組組長の天花の方がよほど優遇されている。
人気投票で1位をとったほどの人気ぶりであり、能力もあいまって重要な活躍をしている。
そうして一時期は相当登場した天花も物語の都合で離脱が長くなった。
人数が増えるほど新しく登場した人物へスポットライトを当てていかないといかないため、初期組の扱いが悪くなりがちのはやむを得ないか。
だから特定のキャラに並々ならぬ情熱がある場合は、登場しないことでもどかしさを感じるだろう。
アニメ1期のご褒美メインはまだ七番組と天花で数が少ない。
特に朱々が相当少ないので、彼女が好きなら1期の範囲を重点的に楽しむべき。

厚みが薄い

上述した通りまだ序盤までしか1期では描かれていないので、物語の厚みは薄い。
激闘らしいものはないし、隊員同士の戦いはあっても組長同士ではない上に訓練なので切迫感が希薄。
人型醜鬼も序盤が最も脅威だったせいで後半は尻すぼみ。
八雷神ほどの実力もない、序盤の中ボス感が強く感じられた。
加えて人型のひとりが優希の家族なのがマイナスにもなる。
彼女ら人型を通じて魔都にも追いやられた人たちがいること、魔防隊に怪しげな点があるなど謎を提供してくれた。
物語を進める情報をもたらす役目が主になっており、彼女らとの戦いは成り行きでやったに過ぎない。
因縁は京香にもつながっていたが割とすぐ解消されたのも肩透かし。
京香が戦う理由付けになった仇敵を打倒したのは彼女にとってカタルシスを得られただろう。
こちらにしてみれば、すぐ出てきたやつが少々苦戦して倒した程度だから冷えた感想しか出てこない。
冒頭で散々優希と京香の目的を言うので復讐が最終目標でないことは早々わかるが、それでもこの晴れなさは雑さ故ではないかと疑いそうになる。
所詮少し強化された程度の雑魚敵でしかなかった。
それらを従える八雷神はこの程度の雑魚ではないと示すための捨て石だった。
つまり京香が得たものも同様の扱いだ。

その後はさっさと流して組長への道を邁進するので本当に薄味だった。
故郷を襲われたのは京香の故郷だけではない、日本各地で災害があったから他の大勢も似た境遇である。
だから京香特有のバックボーンではない(=そう重たく特別ではない)から、いちいち引っ張らずに元々の目標へ足を急がせたと考えられる。
戦いの舞台が異界の魔都で日本でないために緊迫感も足りない。
理由はゲート防衛戦がないし、大群の兵力で戦闘しないから。
優希のヒーローになりたい願望はさっさと叶っているから、彼のモチベーションはどうなっているか気になるところ。
京香や魔防隊の関わったメンバーのために動いているだけの状態であり、目的と願望がごちゃまぜになった点を誰も指摘しないのは哀れである。

さいごに

戦いとえっちなシーンを楽しみたいのは、少年でなくても思う欲望のひとつだ。
どちらかに天秤が落ちないので、ほどほどのバランスで双方を楽しめる。
原作は執筆時点で連載中、アニメも2期が始まったばかりである。
まずは原作かアニメ1期を視聴して、これはイケると判断したならぜひ継続して全てのエピソードを楽しんでほしいところだ。

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