レビュー:理解に苦しむ一品、「お前ごときが魔王に勝てると思うな」と勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい

引用:https://omagoto.com/
©kiki・キンタ・kodamazon/マイクロマガジン社/おまごと製作委員会
この作品のポイント

主人公の知性と精神性が悪い
ご都合主義による雑な展開、百合要素で人を選ぶ
画面が暗すぎてわかりにくい

目次

概要

英雄として華々しく送られ、勇者パーティーの一員となったフラム・アプリコット。
彼女は反転という謎の能力によって一般人以下の強さしか無かった。
そのせいで戦いにおいて全く役に立たないフラムは、雑用を買って出ることで貢献していた。
しかし賢者のジーンは快く思っておらず、フラムを虐めたうえで奴隷商へ売り飛ばした。
奴隷商は自分の商品たちへ戦って死ぬか、呪いの大剣を持って死ぬかの2択を迫る。

フラムは死を覚悟して呪いの大剣を手にした。
そのとき彼女の反転のスキルが作用し、呪いが彼女を殺すことはなかった。
命を辛うじて拾ったフラムは、一緒の牢にいた奴隷のミルキットを連れて脱走する。
反転の力を理解し、力を手にしたことで今までの不遇な運命を覆す少女の物語である。

これが面白いのか?

長い上に意味不明なタイトルをつけるなろう系作品。
毎回これを理解するのは苦痛なので見ないことにする。
それより中身に問題は山積みで、どうしてこうなったか教えてほしいくらいだ。

フラムの固有の反転によって呪いの力がプラスになり、回復効果がマイナスになる。
RPGではよくあるゾンビ(あるいは呪い)の状態異常が常にかかっているイメージだ。
戦闘で全く役に立たないフラムは、戦闘中大人しくしている。
時々被弾していたが、仲間が回復しようとすればジーンに止められる。
だからフラムには回復魔法はうたれなかった。アニメの描写ではそう見える。
もしこのとき回復魔法を受けたことで、かえってダメージになった事実を勇者パーティーが確認すれば彼女の人生は変わっていただろう。
そうはならなかったので、ジーンによっていじめられ、奴隷の烙印(焼印)を顔に打たれて売られた。

もうここでおかしい。
怪我をしたなら治療する必要がでてくる。
フラムがオートヒーリングをするのは呪いの大剣を得たからだ。
それまでは負傷をどう癒やしたのか。放置するなど非常識だ。
回復魔法か回復作用のある薬品を使うだろう。
そしてフラムは魔法が使えないので薬に頼るはず。
どうして薬品では回復効果が反転しなかったのだろうか。
呪いの力を反転でプラスにできると知って以降、修道女のセーラから回復魔法を受けたらダメージや四肢の欠損が起きるくらいだった。

一応設定だと回復効果などの反転作用は、呪いの大剣の効果がフラムの反転によって裏返ったからというもの。
ならば、呪い装備の前の反転の効力はどの程度のものか。それが分からない。
ステータスだけ超弱体化の影響を受ける。そのような都合の良いものがあるだろうか。
心身に影響があるのだ。薬品などにも影響があって然るべき。魔法の効果も同様に。
作者がそうだというならそうだろう。そうやって自分に言い聞かせるしか無い。
ステータスが0という説明すら、なろう特有の臭さで萎えてくるが脇に置いておこう。

フラム曰く、劇中で最初の2ヶ月はまともにパーティーは機能していたらしい。
その間、どの程度フラムの反転について調べたのか全く分からない。
原作なら何かしらの説明があったのかもしれない。生憎、アニメ版は一切なかった。
雑用を買って出る前に、自分の能力について仲の良いメンバーと調べなかったのか。
そこは話の構成上突っ込むと後が続かないとして切り捨てたのか。

何も知らない状態で見た感想は、フラムはただ無能で、捨てられた少女。
適当に絶望して、やけくそになって呪いの武器を手にしたら最強(?)になりましたという流れ。
頭を抱えたくなるほどの雑な展開。
誰がこれを見て感動するのか理解に苦しむ。

作り手側の問題

作者いわく、この作品はタイトル詐欺。
追放ものに見せかけてグロ満載のダークファンタジーらしい。
筆者に言わせたら、ただの露悪的表現を好む作者が陰鬱っぽく仕上げて、百合要素をめり込ませただけ。
これをダークファンタジーというかは各人の価値による。
どの程度を暗い要素として捉えるか、ファンタジーの定義をどうするかがブレるからだ。
少なくとも、筆者は一応ダークファンタジーと呼称しても良いとは思う。
大人気という煽り文句については見なかったことにしておくが。

タイトル詐欺は意外性があって好き、中身を端的に表していないので嫌いとこれまた分かれる。
筆者は後者。そこで意外性はいらないので、中身で真っ向から勝負しにこいと常に思う。
陰惨な事件、トラウマになりそうなものを容赦なく入れ続けるのはコアなファンにとってたまらないものだろう。

アニメも原作に沿う形でグロやゴアの表現を多く入れているよう見受けられる。
ただ画面が暗すぎて何やっているか分からないシーンが多すぎて、とにかく見る気が失せる。
ダークの雰囲気を出そうと暗がりが多く、そのせいでひたすら絵面が暗い。
明るいところで視聴しようものなら真っ暗すぎて声しか聞こえない。
適切な明るさでも見づらい。

作品の物語性以前に、映像作品として駄作である。
劇中でフラムの心の迷いを表現したかったのか、街中をやたら明るい霧(明るい空?)のエフェクトや背景で満たす。
ミルキットに少し何事か言われただけで霧が晴れて夕暮れ(?)の差し込む背景に変わる。
フラムとミルキットが抱き合うと宇宙の背景になる。

意味不明極まりない。百合要素でそうなっているのだろうが、理解に苦しむ。
何となく表したいのは分かる。
しかしそれを妙なエフェクトや表現で迂遠に示し、かと思えば雑な百合を差し込む。
どこの誰に向けたものだ。ターゲット層は何を想定して作っているのだ。

登場人物の頭の悪さ

物語の都合で意図的に知能を弱体化するのは、古今東西の作品にある。
面白ければそれで良いは、もうどうしようもなく正論だ。
面白ければ、だが。
主人公だから最も描写時間が多いフラムの精神はどうにもおかしい。
かなり情緒不安定なのだ。
キャラクター設定で知能か精神に何かを抱えているのかと思うくらいに。

格下に呪い装備で慢心したら足元を救われて動揺する。
明らかに怪しい出自の子どもを保護する決定をしたくせに、お気に入りのミルキットが行方不明になったので精神の均衡を崩してその子へ暴言を吐きつけるなど。

特に後者が酷い。
敵である協会の関係者だろう子どものインクを保護。
それでセーラをはじめ自分と関わった人間が行方をくらませたので精神を崩す。
一旦はミルキットによって持ち直すが、今度はミルキットが行方不明になったので一時的な発狂。
事態を飲み込めていないインクへ、化け物呼ばわりと様々な負の感情を叩きつける。
かと思えばインクがさらわれたので助けに行く。
インクに謝らないといけないと涙を滲ませる。

これは11話の内容だが、フラムは精神と知能がおかしい子どもと思わずにいられなかった。
第5話でミルキットが暴行されかけたので激怒、相手を問答無用で殺害(じわじわ大剣を突き刺す陰湿ぶり)。
第7話はデインたちにたまたま子ども(インク)を人質にされ、彼らの指示に従うも反故にされた(?)ので逆上して、デインたちを殺害しに突撃。
第10話の話の中で精神の浮き沈みが極端。暗くなって、晴れて、また暗くなる。

そもそも勇者パーティーとして魔族やモンスターと戦う日々を間近で見ていた割に、初対面のデインたちに騙される。
敵の強さ、モンスターの脅威度を依頼受諾の時点で気付けないのは妙だ。
全く警戒すらしていない。
10話の終わり、ミルキット(?)が警告のために帰宅したにも関わらず、フラムはミルキットの全身が濡れていることを強調し、タオルで拭くことを優先したため話を聞かなかった。
皆いなくなってしまったと言う割には、エターナについて言及せずその他一同として同じくくりに。

これのどこがまともな人間か1度問いかけたい。
百合強めでどこか影のある人物像にすれば良いとみなした作者、及び演出を考えたアニメ制作スタッフに呆れてしまう。
頭のおかしい人間はどこまでいっても狂人。
暗く辛い物語を前面に押し出したいなら、百合要素の押し売りなどするべきではなかった。
中途半端でひたすらに苦痛でしかない。
せっかく怪物が正体不明、異形かつ一見すると不死の化け物だから面白そうに見えた。
それなのに、あまりに減点要素が多すぎてのめり込めないのだ。
そこは反転できなかったのか?

さいごに

総じて作り手側に問題がある作品。
ただ露悪的に見せることに執着しており、重厚な世界観とは言い難い。
同じようなマイナス要素のある「真の仲間」と評価が異なった。
やはりキャラクターの知性がどの程度あるか、無駄なものを押し出さないか、精神性に一定の安定が見込めるかが重要である。

作品を楽しむには段階が欲しい。
ただ作者の好きを押し付けられただけに思えて共感や感情移入できない。
非常に残念である。

アニメ制作スタッフは完成品を納入する前に、問題だらけでGOサインを出した責任者のエキセントリックさを気にしたほうが良い。
調べてみるとそれなりに作品を出したり、制作協力をしているスタジオだった。
尚更がっかりである。ため息しか出ない。
ここまで書かれて逆に気になったなら、最初の数話だけ頑張って見てはいかがだろう。
感性が合えばきっと入り込めるはず。ぜひ気合を入れてほしい。

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